ここから本文です。

前の新時代宝箱始めの新時代宝箱     

〈新時代宝箱〉№0017 「孤立(孤独)の問題」令和2年2020年4月26日(日)

会長 伊藤 和男   


目下世の中は、新型コロナウイルス感染の脅威の報道で溢れている。
毎日事業活動の自粛や外出の自粛が叫ばれ、皆不安にさらされて戦戦兢兢としているのが実態だ。

政府は、感染予防のためとして密閉された部屋で人が密集することを避け、対面しての密接した状況での会話をしないことを呼び掛けている。
また、こうした3密を引き起こさないために社会活動を制限する手立てとしてテレワークを推奨し、人々にできるだけ家から出ないように心がけることを求めている。

そんな状況下で、医療崩壊の危機とともに、最近家に閉じこもる家族の問題も浮上してきている。
DVや子ども虐待の問題がそれだ。家庭という閉鎖空間内のみの活動で本来社会的な動物である人の心が縮小し、物事に対する見方が一面的となり、余裕のない心の発露として反社会的な行動であるDVや弱者に対する虐待が生み出されていると思われる。
こうしたメンタルな不調は、文字通りその人の束縛された不自由な環境がなくなり、自由な行動を取り戻すことができれば改善することになるだろうが、当面は、それぞれが心の余裕を保つための何らかの方法を摸索しなければならないだろう。

現在、このような感染症の蔓延を抑えるために不自由な環境を強いられている世界中の民衆のために、芸術家をはじめ様々な人々が外出できず閉ざされがちになった人の心を解放させようとオンライン上で動画配信等を行っている。
単身者はもとより少数の家族のみと日々家で過ごす人たちは、ある種の孤独感に陥っており、その心の状態を解きほぐすことが必要だ。そのようなときにオンラインによる社会との接触は、大変有効に作用するだろうし、現代の進んだネット社会が、こうした利点を発揮していることに注目したい。

ところで、話は変わるが、一般に多くの障害者は外出しにくいため家に閉じこもりがちになりやすい。
そして、そのために社会と隔絶された障害者は、多くの場合孤独感に打ちひしがれることがある。
その際の孤独感が、必ずしも今回の感染症発生によって外出自粛を余儀なくされた人々の孤独感と共通のものか同課は分からないが、しかし、私は、健全な心が幅と奥行きを失い物事に対する見方や感受性に変化をきたした点では類似していると思える。
その意味で、今回の事態を経験した人々に、多くの家に閉じこもりがちになっている障害者の心の状態を理解してもらえるのではないかと期待している。

勿論障害者は、全ての皆さんが家に閉じこもっているわけではない。職業人として自立し健常者同様社会に貢献している人も多い。
しかし、残念ながらまだ社会システムが全ての障害者をを受け入れるまでには至っていないために、働きたくとも働けず在宅せざるを得ない者もいる。
そうした状況に立たされた障害者のフラストレーションの状態は、外出自粛の中悶々と自宅で過ごす多くの皆さんの心の状態に似ているのではないかと私には思えてしまう。

当協会は、ユニバーサル社会の実現を目標に設立した団体である。
ユニバーサル社会においては、全ての人が障害の有無や性別、年齢差を超えて誰もが平等に社会活動に参加でき、潤いのある生活をしていく権利を付与されていなければならない。
コロナショックが終了した暁には、どんな障害者も健常者とともに孤独感を払拭して生き生きと暮らしていける社会を構築して行きたいと願ってやまない。
是非、当会への皆さんの参加とご協力をお願いする次第である。

前の新時代宝箱始めの新時代宝箱